あんこが嫌いな和菓子屋の娘
「和菓子屋の娘の歌」という曲に登場するこのフレーズは『みっち。』というアーティストそのもの。他に類を見ない彼女が作りだす音、空間そして時間は本当にクセになる。一度聴いた者を離さない。彼女が教祖の宗教が存在したならば私は間違いなく教徒である。
そんな冗談はさておき、今回のスナップはもちろん彼女。『みっち。』がかけているメガネはオーストリアを代表するメガネデザイナーの巨匠『ROBERT LA ROCHE(ロバート ラ ロッシュ)』だ。1980年代に作られたヴィンテージの一本。『みっち。』が即興のパフォーマンスでアーティスト活動を開始した1999年、ラロッシュはメガネデザイナーを引退しブランドを売却した。彼はそれまでに1,200もの眼鏡をデザインし、特徴的な色遣いと個性的な意匠は20世紀のアイウエア業界に大きな影響を与え、ポストモダンデザインを牽引した。時代は違えど『みっち。』が創り出す世界観はラロッシュが80年代に“Eyewear”という形で表現したポストモダンの世界観と重なる。決して古いと言いたいわけではない。むしろ全くの新鮮で心地良いのである。彼女が作りだす世界観は音楽の新しい楽しみ方を常に提案してくれているように感じるのだ。
“メガネ”というファッションアイテムの在り方
ラロッシュが作ったメガネは似合う似合わないの断片的な楽しみ方だけではなく、メガネというプロダクトそのものに楽しみ方を追求した。その結果、ラロッシュが手掛けたメガネを見ると「これいつかけるの!?」というメガネが数多く存在する。かけてかっこいい、かわいいは当たり前。メガネは身につけて気持ちが豊かになるファッションアイテムであり、インテリアであり、骨董品であっていいと思う。私はこんな時代だからこそメガネはそういうファッションアイテムであって欲しいと思うのだ。
当たり前にあり、なくてはならないローカル店
『みっち。』の実家である『橋本製菓舗』は昭和38年に創業し、地元の方に深く親しまれる本当にローカルなお店だ。今なお現役で店頭に立ち続ける『みっち。』のお母さんは愛嬌に溢れ最高に良い味を生み出している。
私の一番のお勧めは「ハマちゃんのたんさんまんじゅう」だ。たんさんまんじゅうとは炭酸水素ナトリウム(重曹)をふくらし粉として使って作られたおまんじゅうのことだが、誰がなんと言おうとこの粒あんが最高に美味い。秩父旅の際はまずこのおまんじゅうからスタートを切れば間違いのない通な旅を満喫できるのではないだろうか。
(うた、踊り、鍵盤ハーモニカ、ギター、ピアノ)
1999年より即興のダンス・パフォーマンスを始める。現在は、歌ったり、踊ったり、自作曲をピアノや鍵盤ハーモニカで演奏をしたり、その場で感じたものを自在に表現するライブを展開中。2016年、フルアルバム「はじまりのはじまり」をリリース。
シンガーソングライター・ハシケンの実姉。
コメント
懐かしいおまんじゅう食べに行きたいです。秩父には結構行っているのでカレー絶対食べるぞー ^_^
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